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Cry, or Smile? — Saying Goodbye
むりょう・7場面
ゆうやけが、丘を、まっかに そめて いる。「あした、ナギ、とおくへ いっちゃうんだ。」いつもの ベンチで、ミオは、となりの ナギを、ちらり と 見た。ひざの 上の うさぎ、もちが、ミオの てを、ちょん と つつく。さよなら、いわなくちゃ。——でも。ミオの むねが、きゅっ と なった。

ふたりは、いつもみたいに、丘を ころころ ころがった。「わはは!」くさの においが、いっぱい。まちの あかりが、ひとつ、ふたつ、ともって いく。もちも、ぴょん ぴょん、はねまわる。たのしい。——でも、わらう たびに、ミオの むねが、また、きゅっ と なる。「あしたから、もう、ここに、ナギは いない。」

ころがるのを やめて、ふたりは、空を 見あげた。ほし が、ひとつ、ふたつ。「ねえ、ミオ。」ナギが、しずかに いった。「……また、あえるかな。」ミオは、すぐには、こたえられなかった。とおく って、どれくらい とおいんだろう。もちが、ミオの ほっぺに、そっと よりそう。むねが、きゅうっと、なった。

ミオの 目の おくが、つん と あつく なった。なみだが、もう、でそう。「ないたら……ナギ、こまっちゃうかな。」ぐっと、くちびるを かんだ。だいすきな ナギに、かなしい かおを、見せたくない。でも、ほんとは、すごく、すごく、さみしい。むねが、きゅっ。なみだが、まぶたの ふちで、ゆれて いる。

ふたつの きもちが、ミオの なかで、ぶつかった。ないて、「さみしい」って つたえたら——ナギは、わかって くれる。でも、かなしい きもちで、いっちゃう かも。えがおで、「またね」って いったら——ナギは、げんきに いける。でも、ほんとの きもちは、つたわらない かも。どっちも、ナギが、だいすきだから。

「ナギー! そろそろ、いくよー!」丘の した から、ナギの ママの こえ。おひさまは、もう、すっかり しずんだ。「……いかなくちゃ。」ナギが、リュックを、せおった。もちが、ミオを、じっと 見あげる。「いま、いわなくちゃ。」ミオの むねが、きゅっ。さよならの じかんが、すぐ そこまで、きて いる。

ナギが、ふりむいて、いった。「じゃあね、ミオ。」ミオは、すうっと、いきを すった。ないて、「いかないで」って、ほんとの きもちを 見せる? それとも、えがおで、「またね」って、げんきに おくりだす? ないても いい。えがおも いい。……ミオは、どう する?

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