Loading…

Is It Better to Be Like Everyone?
むりょう・7場面
けさ。ナギは、げんかんで、ぼうしを りょうてで もって いた。グランマが、あんで くれた ぼうし。ぽんぽんが、ぽよん、と ゆれる。きょうは、クラス みんなで、こうえんに いく日。「これ……かぶって、いこうかな。」かたの 上で、リスの チャイが、ぽんぽんを、ちょん、と さわった。——でも。きのう、だれかが、いったんだ。

この ぼうしを、グランマは、ふゆの あいだ ずっと、こたつで あんで くれた。「ナギに にあう いろは、どれかな。」って、いとを えらんで。ひとめ、ひとめ、グランマの て。かぶると、ぎゅっと だきしめられた みたいに、あったかい。ナギの、せかいで いちばん、すきな もの。

がっこうでは、みんな、おなじ ぼうしを かぶって いる。ぴかぴかの、にんきの ぼうし。おそろいで、まるで、ひとつの チーム みたい。ナギの ぼうしは、おそろいじゃ ない。きのう、これを かぶったら、ひとりの子が、くびを かしげた。「なに それ。へんなの。」くすくす、わらいごえ。ナギの ほっぺが、かあっと あつく なった。——でも。

でも、もう いちど、ぼうしを 見る。よれよれの ぽんぽん。あったかい いろ。グランマの、ひとめ ひとめ。やっぱり、すき。だーいすき。でも、これを かぶって いったら、また、わらわれる かも。かぶらないで いけば、だれも、わらわない。ナギの むねが、きゅうっと なった。

つくえの 上には、ふつうの ぼうしも、ある。これを かぶれば、みんなと おなじ。だれも、なにも いわない。あんしん。——でも、グランマの あたたかさは、おうちに のこったまま。それは、「ほんとの わたし」じゃ ない みたい。すきな ぼうしを かぶれば、わたしは、わたし。でも、ひとりだけ、ちがう子に なる。ふたつの きもちが、ぶつかった。

チャイが、ぽんぽんに、ふわっと ほおを よせた。「すき」って いう みたいに。ナギの 手が、グランマの ぼうしに のる。それから、ふつうの ぼうしに、のる。まどの そとで、おそろいの ぼうしの ともだちが、てを ふって いる。「ナギー! はやく いこー!」えらぶのは、もう、すぐ そこ。あと、すこし。

ナギは、すうっと、いきを すった。手の 中の、グランマの ぼうし。あったかくて、わたしの もの。げんかんの、ふつうの ぼうし。かぶれば、みんなの なかに、すっと とけこめる。すきな ぼうしを、かぶる? それとも、みんなと、おなじに する? ……ナギは、どう する?

タップして えらぶ