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Do You Really Like It?
むりょう・7場面
「ねえ ミオ、これ……すき?」ケンタが、おりたたんだ かみを、りょうてで さしだした。目が、きらきら。ほっぺが、まっか。ミオは、まだ 見て いない。ミオは、えを かくのが、クラスで いちばん。だから、みんな、ミオに きくんだ。「これ、じょうず?」って。

ミオは、えが だいすき。あさも、ひるも、かいて いる。あいぼうの うさぎ、モカも、よく モデルに なる。そして、ミオは、えに、うそを つかない。「ここ、へんだよ。」「ここ、すてき。」ほんとの ことを、ちゃんと いう。それが、ミオの じまん だった。

ケンタは、いつも いって いた。「ぼく、えは むりだよ。」でも、このごろ、こっそり、なにか かいて いた。ミオが 見ると、さっと かくす。きょうまで、ずっと。じぶんで「できた!」って いえる ものが、ケンタには、いままで、ひとつも なかったんだ。

ミオは、そっと、かみを ひらいた。——えがいて あったのは、ミオと、モカ。だけど、目は がたがた。モカの みみは、ちぐはぐ。いろは、せんから はみだして いる。じょうずとは、いえない。でも、ケンタの 目は、きらきら、まって いる。「……すき?」

ミオは、えに、うそを つかない。それが、すきな じぶん だから。「へん」は「へん」って、いって きた。——でも。はじめて、「すてきな え だね」って いって もらった 日を、おもいだした。せかいが、ぱあっと あかるく なった、あの きもち。ふたつの きもちが、むねの 中で、ぶつかった。

モカが、ミオの あしに、こてん と よりかかった。ケンタは、まだ、まって いる。ほっぺを、まっかに して。ことばが、のどまで きて いる。ほんとの ことを、いう? 「すき」って、いう? あと、すこし。あと、ほんの すこしで——。

ケンタが、もう いちど、きいた。「ミオが、すきって いって くれたら、ぼく……えが、すきに なれる きが するんだ。」ミオは、すうっと、いきを すった。ほんとの ことを、つらぬく? やさしい うそで、まもる? ……ミオは、どう する?

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