Loading…

Can You Say It's Okay?
ここまで むりょう・7場面
「あっ——!」パキッ。おとが した。リンが ふりむくと、ちいさな おうちが、つぶれて いた。あおい ビーだまが、ころころ……ところがって いく。タクが、てを だしたまま、かたまって いる。「ご、ごめん……!」クリが、びくっと した。

その おうちは、リンが、なんにちも かけて つくった ものだった。えだを あつめ、こけを ならべ、たからものを、ひとつずつ。あおい ビーだま。ぴかぴかの ボタン。おしばなの きいろい はな。クリの ための、ひみつの おうち。クリが、いちばん すきな ばしょ だった。

タクは、リンの、たいせつな ともだち。いつも、はしって くる。いつも、なにかに ぶつかる。でも、いつも、いっしょに わらう。きょうも、「リン、見て見て!」って、はしって きた だけ。わざとじゃ ない。それは、リンも、わかって いた。

でも——。じめんには、こわれた おうち。ばらばらの こけ。われた、どんぐりの やね。タクの かおが、くしゃっと なった。「ごめん……ごめんね、リン。」クリが、こわれた おうちを、くんくん した。リンの むねが、きゅうっと なった。

「いいよ」って、いえば、いい。タクは、ともだち。わざとじゃ ない。——でも。なんにちも、なんにちも、つくった おうち。あつめた、たからもの。かなしい きもちも、ほんとう。すぐに「いいよ」って いったら、この かなしいは、どこに いくの? ふたつの きもちが、ぶつかった。

クリが、ちょこちょこ あるいて、あおい ビーだまを、こてん、と リンの ほうに ころがした。タクは、まって いる。めに、なみだを ためて。「リン……おこって、る?」ことばが、のどまで きて いる。「いいよ」? それとも——。あと、すこし。

タクが、ちいさな こえで いった。「リンが、いいよ って いって くれたら……ぼく、また、わらえる きが するんだ。」リンは、すうっと、いきを すった。「いいよ」って、いう? それとも、ほんとの きもちを、つたえる? ……リンは、どう する?

タップして えらぶ