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The Star at the Very Top
むりょう・7場面
「チロ、いっしょに 見ようね。」ソウは、ちいさな こえで いいました。一年に いちど。今夜だけ、空から ほしが ふる。てっぺんに のぼれば、空ぜんぶが 見えるんだ。ソウの むねは、どきどき。チロの しっぽも、ゆうらり。さあ、のぼろう。

きょねんは、見えなかった。下から 見たら、木が じゃまで、ほしは ちょっとだけ。ソウは、くやしくて、ないた。だから、一年 かけて、この みちを おぼえた。なんども、なんども。「ことしは、てっぺんで 見るんだ。チロと いっしょに。」やくそく したんだ。

でも。チロは、もう、おじいちゃん。さいきん、あるくのが、ゆっくり。「だいじょうぶ?」ソウが きくと、チロは、こくん。だけど、足が、おもそう。そのとき、空の すみで、きらん。さいしょの ほしが、ながれた。あっ。もう、はじまっちゃう。

チロが、ぺたん と すわって しまった。「チロ、あと すこしだよ。」でも、チロは、はあ、はあ。これいじょう、はやくは あるけない。てっぺんは、まだ とおい。このままじゃ、ほしは、ぜんぶ ふって おわっちゃう。ソウの むねが、ぎゅうっと なりました。

すこし さきに、くさの くぼみが ありました。やわらかくて、あたたかい。ここなら、チロは、ゆっくり やすめる。でも——木に かこまれて、空は、ほんの すきまだけ。きらん。また ひとつ、ほしが ながれた。木の あいだに、ちらり。「チロ、いっしょに 見ようね……」

ソウの なかで、ふたつの きもちが、ぶつかりました。てっぺんで、ぜんぶの 空を 見たい。——でも、チロを、ひとりに したくない。チロが、空を 見あげて、それから、くらい みちを 見ました。まるで、「さきに、おいで」って いうみたいに。でも、しっぽは、しゅん と さがって いました。

空が、ほんとうに、ふりはじめた。きん いろの ほしが、いっぱい。いまなら、てっぺんに はしれば、ぜんぶ 見える。でも、チロは、ここに いる。ぜんぶの 空 と、チロの となり。ソウは、ぎゅっと、こぶしを にぎりました。……ソウは、どうする?

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