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The Little T-Rex's Great Big Roar
むりょう・7場面
カイは、きょうりゅうが だいすき。ポケットには、いつも 緑いろの ティラノの フィギュア。でも、こうえんの みんなは いう。「きょうりゅうなんて、こわいだけだよ」。カイは、フィギュアを ぎゅっと にぎる。つよくて おおきい ものの どこかに、やさしい ところが ある。カイは、それを しってる。だれも しんじて くれなくても。

がおおおおーーー!!! こうえんに、ほんものの こえが ひびいた。すべりだいの 子も、ブランコの 子も、みんな にげていく。カイの 足も、にげようと した。――そのとき。がおーの あとに、ちいさな ちいさな「きゅう……」って こえが きこえた。カイの 足が、とまる。そして、こえの ほうへ、あるきだした。

おおきな 木の かげに、いたのは――ちいさな ティラノサウルス。カイの フィギュアと おんなじ、緑いろ。「がおー!」ちかづくと、ほえられた。でも カイは 気づいた。ティラノが ほえるのは、カイが こわれた ブランコに ちかづいた ときだけ。くさりが 一本、いまにも きれそうに ぶらさがってる、あの ブランコ。

カイは、ためして みた。ブランコに いっぽ――「がおー!」。はなれると――しずか。すべりだいなら――しずか。「わかった!」カイは、めを かがやかせた。「きみの がおーは、『あぶないよ』の がおーだ!」ちいさな ティラノの しっぽが、ぱたん、ぱたん。がおーは、こわい じゃなくて、まもるの おと。

それから ふたりは、ともだちに なった。カイが フィギュアを みせると、ティラノは はなさきで そっと つついた。くすぐったくて、ふたりで わらった(ティラノの わらいは、ちょっと がおーみたい)。――でも、そのとき。「おい、きょうりゅうが いるぞ!」「あぶない!」「おいだすんだ!」おとなたちの こえ。ティラノは 木の かげで、ちいさく ちいさく、ふるえた。

おとなたちが、ロープを もって あつまってくる。カイの むねが、どきどき、どきどき。――そのとき。よちよちあるきの ちいさな子が、ひとりで、あの こわれた ブランコの ほうへ。だれも 気づいてない。ママも、ロープの おとなたちも。気づいたのは――ティラノだけ。

ティラノが とびだした。「がおおおおーーー!!!」いちばん おおきな、まもるの がおー。ちいさな子は びっくりして、しりもちを ついた。つぎの しゅんかん――ガシャン!! ブランコの くさりが、おちた。ちいさな子の、すぐ まえに。でも、おとなたちには、こう みえた。「きょうりゅうが、子どもを おそった!」「やっぱり あぶない!」ロープが、ティラノに せまる。ほんとうの ことを しってるのは、せかいで カイ ひとり。カイは、どうする?

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